この話は僕が高校2年生だったある日の話
その前にこの出来事までの経緯を説明しよう。
僕が通っていた学校はちょうど変革期を迎えていたらしく、僕が入学する前は結構荒れてたというか、落ち着きのない生徒が多かったらしいのだが、先生方の厳しい生徒指導のためか僕らの代から徐々によくなりつつあった。
その先生は高校1年生の時の学年主任だった。担当は現代文、物腰の柔らかい女性の年配の教師だった。
のちに授業中に聞くのだが、体がもう待たないため僕らの学年を持たず教師を辞める予定だったそうだ。
先生の授業はわかりやすく、時に雑談を交えつつ、けじめのある授業であり、僕の周りでも先生のことが嫌いだという人はいなかった。
しかし、うすうす気がついてはいたのだが、いよいよ先生の体は教壇に立つ力をなくしてしまい。
先生はやめることになった。
1年生の3月 先生はみんなに温かく見送られ学校を去った。
そして2年生になった、5月あたりだったと思う。離任式で先生が来たのだった。
今回の話は離任式での先生のスピーチの話である。
「今日は嫌われて帰ります!」
口を開くや否や衝撃的な一言、おっとりとしたイメージとはかけ離れた強い発言だった
つづけて
「人は見た目で判断してはいけないといいますが、裏を返せば人は見た目で判断するのだよ!」
この発言は当時の僕でも刺さった、僕は生徒指導に引っかかるようなタイプではなかったけど感覚的に先生がどういう意図で行ったのか分かった。
どんなに勉強を頑張っても制服の着かたが悪ければ、そういう目で見られてしまうというこうだろう。
僕らの内面を知っていた先生だからこそ出た発言であると思った。
もう何年も前の話だが今でもはっきりと覚えている。
今ではもう少しこの発言を理解でいた気がする。
見た目で判断するということは、目に見える「学歴」、「収入」といったことも当てはまるのではないかと思った。
改めてこの発言を考えてみると、深い。先生はそういったニュアンスも含めて言ったのかもしれない。